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あなたの価値観、実はあなたオリジナルのものではない!?
世の中の人の価値観、実は植えつけられたものなのです。
何にって?
それはあなたの「印象に残った経験」です。
そんなことない!と否定する方のために質問です。
- あなたは、何も見たことはありませんか?
- あなたは何も聞いたことはありませんか?
- あなたは何も感じたことはありませんか?
これ、全部当てはまらないのならこれを見れてないはずです。
なぜなら、ネットにアクセスする事を「学んだ経験」が無ければここに来れないからです。
それがあなたの価値観と大きく関係してくるのです。
まず基準は「最初」
アンカー…これは船が波で流されないように重り(錨 イカリ)を下ろし、そこからあまり動かないようにするもの。
つまり、
アンカー…あなたが経験した最初のこと
ここを基準に物事を決めていくようになるのです。
例えば
初めての商品を買おうとしたとき、5000円の品物が2000円で買えます!と言った広告を見たとします。
この時、あなたのアンカー(基準)は5000円という値段で、その値段から2000円と言う割安感に惹かれてしまいます。
だって半額以上値引きされて…と思った人、もしくは経験ある方、まさしくアンカリング効果の餌食になっています。
冷静になれば
- 他の店の値段は?
- それは今必要?
- そもそも5000円自体が高いかも?
など基準を変える要素はたくさんあるはずなのに、5000円が基準になるとそんなもの消えてしまいます。
一度認めて決めた基準はなかなか変わらない
先ほど述べたように一度基準になったものはなかなか変わりません。
理由は人間、基準が無いと不安で、何かを道しるべが欲しいのです。それが、ころころ変わっていては情緒不安定になってしまいます。
その与えられた基準を捨てるのは未知の土地でやっと得た地図を捨てるのと同じようなもの…そう考えるとなかなかできることではありません。
更に、あなたの生きてきた人生、色んな「経験」でアンカリングされていきます。
意識している時もあるのですが、知らない間に行われていることもあるのです。
なぜ、「経験」なのか?
経験は確かに大事なものです。蓄積されて成長していくのには必須のものです。
ただし、ここでの経験は少し厄介なものとなる時があります。
それは先ほどの「基準がない」状態で「経験」を「基準を得た」状態になると起きることです。
皆さんも経験ありませんか?
- 「初めてのデートの時」は30分前に来てた。今は遅刻してくる
- ここのラーメン、1000円だけど量が少ない。隣は700円で大盛なのに
- パチンコ打つなら3万円の軍資金では少ないと言われた。だから5万用意した
- 500円の充電器が3年使えたのに1000円のは1年だった
などの経験があなたの基準を作るために、それが行動の指針に関わってくるのです。
もし、基準がおかしくても…
ここまで言ってきたように、アンカリングはあなたの考えの基本となっていくのですが、問題は
おかしな基準を持ってしまった場合
です。
昔の人も経験から学んでいるなぁと思うのが
「氏より育ち」
家柄や身分より、育った環境やしつけの方が強い影響を与えていく意味ですが、ここが「おかしい環境」だと、そこが基準となり、おかしくても気がつきにくく、後々苦労することになります。
例えば、お金持ちは1万円を安いと思いますが、庶民は100円でも悩むのです
これは経験から基準を得ている極端な例ではありますが、それだけ経験は大きな影響を与えるという事なのです。
誰しもいきなり
「私の基準はおかしい!」
なんて思わないものです。
そんなことになれば人間崩壊してしまいます。
この基準はなかなか変えれるものではありません。
修正するには
まず、自分の基準がおかしいと気付いたとして、どのようにすれば変わるのでしょうか?
答えは簡単です。
- 環境を変える
- 基準となる経験を超える経験を重ねる
の二つがメインとなります。
例えば稼げる人と一緒に行動していると、金銭感覚が狂いやすくなります。
なぜなら、目の前であっさり大金が動くのを見ていると、大金が大金に見えなくなるのです。
横領などをする人の大半は扱っているお金が大きすぎて、基準が狂い「このくらいなら大丈夫かな」と自分の年収以上のお金をあっさり着服してしまうのです。
基準となる経験も大きなことから小さなことまで色々ありますが、根幹部分以外は、簡単に変えられることもあるのです。
では、簡単に変わる実例を見ていきましょう。
簡単に変わる部分はコントロールされることがある
Aさんは居酒屋のキャッチに声を掛けられました。
「お兄さん、これから居酒屋どうですか?」
Aさんは行こうかと思いましたが、この辺は初めて来ており、高いと嫌なので値段を聞くことにしました。
「お酒飲み放題っていくらなの?」
キャッチはさっと料金表を見せてきます。
「2時間3000円です。」
Aさん、それは高いと思い
「もう少し安くならないの?」
と聞くと
「そうですねぇ。うちの隣が2時間3500円。向かいが3250円。ここから戻って15分歩くいたところが3100円。うちの店が一番安いですよ?」
そう言うと、各居酒屋のパンフレットを見せてきた。確かに大きくキャッチの言う値段が書いてある。
「即決してもらえるなら200円割引しますよ?」
この後Aさんはキャッチの居酒屋へ行きます。
これを見て、あなたはどう思いましたか?(ここの本当の相場とか飲み放題の内容は考慮しない)
では聞きましょう。
他は交渉して安くならないのでしょうか?
仮に3500円のところが800円値引きしたらどうしますか?
このキャッチが使っているのがアンカリングなのです。
まず、基準3000円を作ります。
で、周囲の居酒屋の料金を信用できるような材料で説明します。各店舗のパンフレットです。
ここでAさんにとっては3000円が最安値です。
更に3000円より安くなるならそこへ行こうと思うでしょう。
基準の3000円より安いからです。
しかも、即決めたらという条件があれば「損したくない」心理と「焦り」で決定してしまうのです。Aさんは更なる基準を与えられたのです。
これでAさんはこの値段が良かったという経験を積むと、ここがAさんの基準となり、もし、別の日にここで他の居酒屋のキャッチが
「飲み放題、2時間3100円でどうですか?」
と声を掛けてきたら
「ちょっと高いなぁ」
となるのです。
逆に
「飲み放題、2時間2500円でどうですか?」
と言われると、前回損したのか!という感情もプラスされて強く2500円が基準となり、二度と3000円の店は行かなくなるのです。
ちなみに
これは私がカラオケ屋でキャッチをしていた時に使っていた技の一つです。
冷静に文章で見ればそうは思わないでしょうが、言葉の強弱や身振り手振り、かまない自信のある説明、時には「納得しないならあちらのカラオケ屋さんで交渉してきてもいいですよ」と相手に任せたりすることもしました。
あっちに取られそうだなと言うときは伏線として先ほど言ってた
「即決してくれるなら100円引きますよ。」
と言い
「〇人だと合計〇〇〇円得になりますよ。ただし、戻ってきた場合は100円引き無しですよ?」
と言い
追い打ちに
「あちらと交渉するならうちの割引券、料金も書いているので持っていいっていいですよ。これ、見せるとあちらはこれ以上難しいと思いますけどね」
と自信を持って基準を与え続けます。
すると不思議なことに9割はこっちを信じてくれます。(確かにウソをついてはいませんが、暇すぎると自分の店より安くされることも当然あります)
基準とは
信頼性や
権威性とも
大きく関係しており
「○○大学教授が発見した」
「芸能人○○が愛用」
「一流選手○○が使用」
「大手ブランド○○とコラボ」
など、知識に乏しいものに対して有名人が使用、権威ある人がやったこと、知っているブランドという権威性と信頼性で基準を与え、安心感を植え付け、値段の基準を狂わせて、類似品の中から選ばれやすくなるのです。
ついでに覚えておいてください。
詐欺で金融商品を扱う過去の事例を見ると、高額な詐欺、多いですよね?
普通なら払わない金額なのですが、これも基準を狂わされているのです。
いかにもしっかりした企業、でパンフレットもしっかりしており、さわやかな経営者の写真が大きく出てたり、大きな会社や経営内容、利益の金額などこと細かく記載されているのです。
更に
「Aさんは100万を1か月で倍にした。」
「Bさんは半年で1000万が5000万になった」
と成功をあたかも基準のように語ります。
こうやって
あなたに
「こんな会社なら大丈夫」と
「安心と結果の基準」
を構築させ
警戒心を
緩めていくのです
こうなると、利益を取り損なうのではというサンクコストと言う心理とみんなの投資している金額で基準が相乗効果となり、いくらでも騙されてしまうのです。
基準の怖さ
最後にアンカリングの怖さを覚えておきましょう。
経験から基準を作り出すことは分かっていただけたと思いますが、これを「成功」と「失敗」で考えてみてください。
100%成功する…自分が絶対的に正しいと思い込む。自他共に大きなミスを認めれなくなる。思い込みが激しい
100%失敗する…自分はダメだと思い込む。少しの成功体験ではネガティブな気持から抜けられなくなる。行動を起こしにくくなる
これって危険ですよね。
過去の経験が偏ると基準は大きく狂ってきます。
ですから、必ず考えるようにしてください
あなたの基準は
何の経験が
元となっていますか?
これをしっかり理解すると、考えが柔軟になり、基準の変更も難しくなくなります。
近年、基準は変わる速度が増してきています。
変わった基準が正しいか?過去の基準が正しいか?
判断は難しくなってきてますが、自分の基準の根源を知ることで、いろんな考えを認めやすく、理解しやすくなるはずです。
アンカリング、うまく使って変化の大きい時代を乗り越えていきましょう!